ユーコさん勝手におしゃべり

12月28日
 「月がきれいだよ 満月かな」
 夕べ、外から帰った店主が言った。今年さいごの満月は今日28日だが、天気が崩れる予報が出ていたので、外へ出て丸く輝く月を見た。
 今日は三時には小雨が降り出した。あれが今年の月の見納めだった。雨はこれから雪になりそうな音で降っている。
 今年さいごの発送作業を終えた。年が明けたら送って下さいというお客様がいて、来年もまた変らぬ仕事ができるありがたさ。
 水仙のつぼみ、沈丁花のつぼみ、年末は冬に負けない花のつぼみの季節だ。
 年が明ければ、ぼちぼちと、開花の便りもやってくるだろう。

12月23日
 日々に追われているうちに、2012年もさいごの一週間となった。
 先日、好天と休日が重なったので、横浜にある私の実家へキウイを採りに行った。毎年律儀にどっさり実る。キウイ棚の下に組んだ足場に乗って店主が作業をしていると、オナガが頭のすぐ上をかすめるように飛んだ。その後、メジロが二羽、店主の顔の横っちょにとまって、「チーチーチー」と抗議がましく鳴き交わし、顔を見合わせて飛んでいった。
 「何してんだよ」とでも言っているのか、しばらく近くで鳴いていた。
 「全部採りきりはしないから大丈夫だよ」「ほら、ちょっと傷ついちゃったのはここに並べとくからね」などと、誰に言うともなく口に出しながら、体はセッセと収穫する。隣家の奥さんが、
 「これよかったらお風呂に入れてね」
 と、庭のゆずを一袋くださった。ゆずでいっぱいのビニール袋に顔を突っ込んで、もぎたての香りを思い切り吸い込んだ。
 冬至の前日のこととて日の暮れが早く、晴天でも午後になるといくばくもなく寒さがやってくる。
 帰宅後、ゆずをポコポコいっぱい浮かべたお風呂に入った。
 寒さの冬もゆず湯でのりきって、また本に追い追われる日々に飛び込もう。
 今年のカレンダーのすぐうしろに、来年のカレンダーが続くしあわせに、感謝。

12月13日
 今冬はことのほか寒さが厳しい。今からこれじゃ2月には何をどれだけ着ればいいのやら。
 今朝、選挙の期日前投票に行ってきた。日曜日は営業だし、すぐ店舗の裏に投票のできる区の出先機関があることも手伝って、期日前投票することが多い。今回は国政やら都知事やら補欠やらあれやこれやが重なって、色違いの5枚の用紙に記入し投函した。
 いったい誰が先頭に立っても、すぐに醜聞を持ち出して、足をひっぱり引きずりおとそうとする昨今だ。
 誰がなっても、決まったからには周囲がサポートしていかなきゃうまくいくはずないと思うのだが、何で小学校の学級会でもできることが、大人にはできないのだろう。いや、大人になったからできないのか。
 みんなの三つ子の魂は、どこへいっちゃったんだろう。

12月8日
 亀眠る。
 12月に入って、動きが緩慢になり、散歩に出しても、踊るように歩き回ることがなくなった。そろそろかなと思っていたが、今朝はあいさつするのもおっくうそうだった。
 いよいよ冬眠だ。水槽に土と水を入れ亀をのせ、たっぷりの落ち葉をかける。
 関東一都六県と信州から、出かけた先で目につくたび拾い集めた各地の紅葉の布団の下で、来春までおやすみなさい。

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