ユーコさん勝手におしゃべり

12月25日
 年末が近づいてきて、新聞や雑誌で「今年の一冊」「2007年おすすめの本」といったページを何度か見た。
 表題とストーリーをひととおり眺めて、何冊かに「フーン」と興味のため息をつく。「機会があれば読んでみたい」とその場で思い、通り過ぎていく。中で一冊くらいは心にひっかかり、題名をメモったりしている。それは別にメインの場所に紹介されているのでもなく、聞いたことのある作家が書いたのでもない。装丁の写真、帯の一文、制作者の思い、何かが自分と呼応するのだろう。
 ともあれ、読書の秋に読もうと思って入手した本が、まだベッドサイドに積んである。厳冬にもかかわらず、我が読書カレンダーはまだ秋にもなっていない。
 というか、積んである本はみな数十年前に出版されたもので、まだ同時代にも到達していないのであった。

12月24日
 師走の候、いかがお過ごしでしょうか。
 ただでさえ慌ただしい年の瀬にパソコンが新しくなりました。寒さ厳しい今冬ですが、パソコンだけは2008年春モデルです。操作は以前のものとそう変わりませんが、新人は出版社の名前や本の詳細を知りません。慣れ親しんだ前任は「しんちょう」とくれば「新潮」、「きくばん」といえば「菊版」と打てば響く奴でした。素直に「慎重」「聞く番」と出してくる白いボディのパソコンを早く言いくるめなければなりません。

12月7日
 東京は今、紅葉まっ盛り。
 先週から開店前の時間やおつかいに出た折に、都内の公園を覗いている。先日は都境を越えて、都立水元公園の対岸の埼玉県立三郷公園へ行った。地面に降り敷く黄・赤・桃色、紅色・茶・オレンジ。そしてどんぐり。水元と三郷は小合溜という遊水池の両岸にあり、それぞれから見るそれぞれの景色がうらやましいように輝いている。片方に行くともう片方も行きたくなる。あの木にもあの木にも触れてみたい。葉を落とした桜の枝先には、もう来年の花芽がついている。
 どこへ行ってもイチョウは黄金の葉を地面いっぱいに撒いている。
師走の忙しい日々の中でいっとき、気持を解放させてくれる。でも寄り道は短めに、お仕事はじっくりと、さあ励みましょう。

12月2日
 月ごとのカレンダーはさいごの一枚になった。
 初秋に植えたミニチューリップの芽が出た。プランターの沈丁花も皐月も「来年咲くよ」と告げ始めた。
 「来年の話をすると鬼が笑う」
というけれど、春の来るのを楽しみにしている植物たちは、どんなに笑われても来春の話をしたい。
 私もつられて心を春にはせ、乾いた冷たい土に水をやった。

11月のユーコさん勝手におしゃべり
10月のユーコさん勝手におしゃべり
それ以前の
「おしゃべり」